やさしい歯列矯正(しれつきょうせい)ガイド

噛み合わせと体の関係

なぜ噛み合わせが悪くなるのか

現代人の顎は小さい

食生活の変化により、現代人の顎は明らかに小さくなっています。顎が小さくなるとなぜ歯並びが悪くなるのか。それは、顎が小さくなっても歯の大きさは変わらないからです。顎が小さいということは、歯が生えるスペースが狭くなるということです。狭いところにひしめき合って生える歯はどうなるでしょうか。まっすぐに並べずにでこぼこに生えるか、垂直ではなく斜めに生えてくるか。その結果、不正咬合ができあがります。
食事だけではなく、顎の小さくなる要因は乳児の頃から始まっています。現在、粉ミルクや哺乳瓶の台頭で、母乳だけで育てられる赤ちゃんは少なくなりました。しかし、実はお母さんの乳房からお乳を直接吸うことは、哺乳瓶でミルクを飲むことに比べ数段に顎や口の周りの筋肉を使うのです。哺乳瓶の乳首は穴が大きいので、少しの力でミルクを吸うことができます。これに対し、乳房は口でしっかりと乳首をくわえ、舌と顎を使って力強く吸わないと母乳は出てきません。つまり、歯のない赤ちゃんにとって、母乳を力いっぱい吸うことは、噛むこと(咀嚼)の重要なトレーニングなのです。では、仕事などで忙しいお母さんや、母乳が出ないお母さんはどうしたらよいでしょうか?そういう場合は、乳首の穴が小さい哺乳瓶を使用しましょう。赤ちゃんは多少ミルクが飲みづらくなりますが、将来のことを考えればやむを得ないことです。

指しゃぶりの弊害

「指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる」という話は割とよく知られています。
「歯が動く仕組み」で述べたように、歯は同じ方向に継続的に力を加えると少しずつ動いていきます。上の前歯は親指に引っ張られ前方に、下の前歯は押さえ込まれ後方に動きます。こうして上顎前突ができあがってゆきます。また、上下の前歯の隙間が空く開咬の原因にもなります。
3歳ごろまでの指しゃぶりは本能的なもので仕方のないことですが、それ以降はお子さんの歯並びのためにもやめさせたほうがよいでしょう。
本人が「やめた」といっても、寝ている間に無意識におこなっている場合もあるので、親指にタコがないかを観察する等、親御さんのじゅうぶんな注意が必要です。

呼吸は鼻で

口呼吸の弊害は、まず口が常に半開きの状態になるので、口のなかが乾き唾液の分泌量が少なくなることです。唾液の重要性は次の「悪い噛み合わせがおよぼす影響」でお話しするとおりです。また、鼻呼吸なら鼻毛がフィルターとなり空気中の有害物質を取り除いてくれますが、口呼吸にはそれがありません。そして、歯並びの観点でいえば、前歯が出やすくなってしまうことです。唇にそんな力がと意外に思われるかもしれませんが、歯は普段は唇によって押さえられているので、口のなかに納まっていられるのです。呼吸は口ではなく、鼻でするように心がけましょう。

 

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